· 

熱中症対策と筋肉

梅雨を通り越して夏の様なお天気が続いていますね。この時期になると「熱中症対策」が養生においてもとても重要になります。

こまめな水分補給や室温管理が大切なのはもちろんですが、実は筋肉も熱中症対策においてとても大切なカギを握っていることをご存じでしょうか?

 

筋肉の約75%は水分。筋力低下は“水の不足”を招く

筋肉は、体内でもっとも多くの水分を含む組織のひとつ。その水分保有量は約75%とも言われています。つまり、筋肉が減ると体内に保持できる水分の量も減り、脱水に近い状態=熱中症リスクの上昇につながってしまうのです。

 

筋肉=陰。漢方の視点で見ると?

漢方では、身体の働きを「陰」と「陽」のバランスで捉えます。筋肉は潤いを蓄え、身体を支える“陰”の組織とされます。一方、「陽」は熱や活動のエネルギーを指します。筋肉量が落ちて“陰”が不足すると、身体の中で“陽=熱”が過剰になりやすくなります。

つまり、筋力の低下は熱を冷ます力の低下につながり、熱がこもりやすくなる=熱中症につながりやすくなります。

 

筋力低下は血流・発汗にも影響

さらに筋肉には、血液を心臓に戻す“ポンプ”の役割があります。筋力が弱まると血流も滞りやすくなり、結果的に体内の熱や水分の巡りも悪化してしまいます。その影響は「汗」にも表れます。発汗は体温を調整するための自然な働きですが、血流の悪さや筋力低下によってスムーズに行えなくなると、体温が上がりっぱなしになってしまいます。これもまた、熱中症を引き起こす要因のひとつになります。

 

未病ケアの柱としてお食事、睡眠、運動をお伝えしていますが、適度な運動によって筋力をつける事が熱中症の予防にもつながりますので、改めて筋力の重要性をご理解頂ければと思います。