食養生における注意点
食養生を実践するうえで最も大切なのは、「何が良い・悪い」という固定的な価値観ではなく、その方の体質・体調に合っている
かどうかを基準にすることです。
漢方では、食材にはそれぞれ「寒・熱・温・涼」といった性質や、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)などの働きがあると捉えます。そ
して、その時の身体の状態に応じて必要なものを選び、過不足を調整していくという考え方をとります。
基本的に「絶対に食べてはいけない禁忌食材」という概念はありません。あくまで判断基準は“今の自分に合っているかどうか”です。
現代人が注意すべき「アレルギー」
ただし、現代においては一つ注意しておきたいポイントがあります。それが「フードアレルギー」です。
即時型アレルギーであれば、蕁麻疹や呼吸苦など比較的わかりやすい症状が出るため、ご本人も自覚しやすい傾向があります。
一方で、遅延型フードアレルギーは摂取から症状出現まで時間がかかり、症状も倦怠感、頭痛、肌荒れ、鼻炎、便通異常など多岐
にわたります。そのため原因との関連性に気付きにくく、「何となくの体調不良」として慢性的に続いている可能性があります。
本来であれば検査で確認するのが望ましいですが、簡易的なセルフチェックも可能です。
腸内環境を乱しやすい食材
特に現代人で問題になりやすいのが、小麦製品や乳製品です。これらは腸内環境を乱しやすく、アレルギー体質や花粉症などの増
悪因子になり得ると考えられています。
簡単にできる方法としては、
小麦・乳製品を2週間ほど完全に控える
その後、再度摂取を再開する
体調や症状の変化を観察する
というプロセスを行ってみることです。除去期間中に体調が改善し、再開後に不調が出るようであれば、何らかの影響を受けてい
る可能性があります。
現代特有の負荷を考慮する
大気汚染、食品添加物、加工食品の増加など、私たちはかつてない環境負荷の中で生活しています。アレルギー体質の増加は、こ
うした背景とも無関係ではないでしょう。
日頃から食事に気を配り、栄養バランスも整えているのに、今ひとつ不調が改善しない。
そのような場合には、体質だけでなく「遅延型フードアレルギー」という視点も一度考慮してみる価値があります。
食養生とは、単に良いものを取り入れることではなく、身体にとって余分な負担を減らすことでもあります。
“合うものを選ぶ”と同時に、“合わないものを見極める”こと。
それが、より精度の高い食養生につながっていきます。
