最近は高温多湿の日が増え、夜も寝苦しい季節になってきました。
「エアコンをつける」
「冷感寝具を使う」
「快眠枕やマットレスに変える」
このような睡眠対策を目にする機会も多いと思います。
もちろん、暑さによる睡眠の妨げを減らすためには大切なことです。
しかし、もともと睡眠の質が良くない方は、環境を整えただけで深く眠れるようになるとは限りません。
実は睡眠の質は、「寝室」よりも体の中の状態によって大きく左右されています。
睡眠ホルモン「メラトニン」がきちんと作られているか?
私たちが自然に眠くなるのは、「メラトニン」というホルモンが分泌されるためです。
メラトニンには
自然な眠気を促す
深い睡眠をサポートする
体内時計を整える
強い抗酸化作用で脳や細胞を守る
という重要な働きがあります。
つまり、
睡眠の質を高めたいなら、メラトニンをしっかり作れる体であることが何より大切なのです。
メラトニンは突然作られるわけではありません
実はメラトニンには材料があります。
流れは次のようになります。
たんぱく質
↓
トリプトファン
↓
5-HTP
↓
セロトニン
↓
メラトニン
つまり、
メラトニンを増やしたいなら、その前段階である「セロトニン」をしっかり作る必要があります。
朝のセロトニンが、夜の睡眠を決めています
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれます。
気分を安定させるだけではなく、
夜になるとメラトニンへ変換される原料になります。
そのため、
朝からセロトニンが十分に作られていなければ、
夜になってもメラトニンが不足し、
寝付きが悪い
夜中に何度も目が覚める
眠りが浅い
朝起きても疲れが残る
といった状態になりやすくなります。
夜ぐっすり眠るためには、午前中のセロトニンづくりがとても重要なのです。
セロトニンを作るには「栄養」が必要です
セロトニンは気合いや精神力で作られるものではありません。
体内では多くの栄養素が協力して初めて作られます。
特に重要なのは、
良質なたんぱく質
トリプトファン
ビタミンB6
ナイアシン(ビタミンB3)
葉酸
鉄
などです。
これらが不足すると、
十分な材料があってもセロトニンを作ることができません。
さらに、
セロトニンからメラトニンへ変換される際には、
マグネシウム
SAMe(メチル化)
なども関わっています。
つまり、
睡眠は「眠る技術」ではなく、「栄養代謝の結果」でもあるのです。
睡眠は夜だけでは作られません
睡眠は夜に始まるものではありません。
実際には、
朝食から夜の睡眠づくりは始まっています。
朝にたんぱく質をしっかり摂り、
日中にセロトニンを十分作り、
夜になると自然にメラトニンへ切り替わる。
このリズムが整うことで、
薬やサプリメントに頼らなくても、自然な眠気が訪れやすくなります。
睡眠の質を高めるために今日からできること
まず意識したいのは次の5つです。
朝食でたんぱく質をしっかり摂る
朝に太陽の光を浴びて体内時計をリセットする
ビタミンB群・鉄・マグネシウムなど不足しやすい栄養素を意識する
日中に適度な運動やリズム運動を取り入れる
夜はスマートフォンなどの強い光を控える
最後に
暑い季節は、エアコンや寝具など睡眠環境を整えることももちろん大切です。
しかし、それ以上に重要なのは、
「眠れる体」を作ること。
睡眠ホルモンであるメラトニンは、突然作られるわけではありません。
毎日の食事から摂るたんぱく質やビタミン・ミネラルを材料に、セロトニンを経て作られます。
「最近ぐっすり眠れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝から疲れが抜けない」
そんな方は、寝具やサプリを探す前に、毎日の栄養バランスを見直してみることが、睡眠改善への近道かもしれません。
ワンポイント(漢方・分子栄養学の視点)
セロトニンの約90%は腸で作られるといわれています。
そのため、胃腸の働きが低下している方や、たんぱく質の消化吸収が十分
でない方は、材料を摂っていてもメラトニンの産生が低下することがあります。
「何を食べるか」だけでなく、「消化・吸収できる体かどうか」も、
睡眠の質を左右する重要なポイントです。
